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2024

24KUL Emotion #23 難波俊介

24KUL Emotionのトップバッターを務めさせていただきます、#23 難波俊介です。




なぜこの部活に入ったのか。




運動は昔から苦手で、特に球技はからっきしだった。大学に入るまでにやってきたスポーツは水泳くらいで、それもちゃんとやっていたのは小学校まで、中高はお遊びのようなものだった。




ずっと憧れがあった。




青春ものの部活アニメなどを見ていると、

"全国優勝"みたいな高い目標を目指し、日々汗水垂らしながら練習して、放課後も暇があればひたすら自主練をする、そんな人達があまりに眩しくて、かっこよかった。こういう人間になりたいなと思っていた。




中高で俺は一体何をしていたのか、


部活に打ちこむということをせず、

その空いた時間を受験勉強に費やすということもせず、

ただ暇があったら友達とスマホゲームをしている、まさに廃人だった。


そんな自分にずっと劣等感を抱いてた。


勉強は大嫌いだった。

だからこそ、その分スポーツに打ち込んでみたいと思っていた。

中学を卒業し、高校に入るときもそう思っていた。


でも怖かった。

運動音痴な自分が新しいスポーツを始めたとしてどうなるのか。結果が出ないことを想像すると、わざわざそんな茨の道を選ばなくてもいいんじゃないかと思った。

このまま水泳部でゆるっとやっていればいいと思ったのだ。



その道を選択したことを別に後悔はしていない。十分楽しかった。でも心の中になにかつっかえるものがあった。



大学に入って、そのつっかえていたものが爆発した。自分でも訳がわからないくらいラクロス部に入ることを即決していた。

ラクロスが大学から始めるスポーツというのも大きかったと思う。



この部活でなら、今まで自分が憧れてきた、かっこいい人間になれるのではないかとそう直感した。ずっと苦手意識を持っていた球技も克服できるんじゃないかと思った。







果たしてかっこいい人間になれたのだろうか。





入部したあの時、思い描いていたのは、フィールドで活躍する自分の姿である。


現実はどうだろうか。フィールドで活躍するどころかそもそもAにすら上がれていない。

もう今年で最後だというのに。



一番打ちひしがれたのは今年の関東遠征の時である。

それまでは少なくとも、Bチームでは現状で戦力になれているものだと思っていた。でもそういう次元にも達してなかった。Bチームですら絞られる存在だったのだ。実際ATというポジションにいながらまともに点を取れていなかった。

今までの3年間はなんだったんだろうかと思った。これまでやってきたことは間違いだったのだろうか。俺はこのままBチームですら戦力になることができずにこの部活を終えてしまうのかと思った。そう考えると先が真っ暗になった。大学生活の中で一番しんどい時間だった。これまでやってきたことがなにも実を結ぶことなく終わってしまう。そんなことを考えると吐きそうになった。

これまで頑張ってきたのは、全て、試合で活躍できるような選手になるためである。


朝が大の苦手な自分が早朝から練習に向かっていたのは、ジムで体を追い込んでいたのは、毎日食べたくもないほどの量の食べ物を口に入れていたのは、夜遅くまで公園で自主練をしていたのは、全部そのためである。

それが試合に出ることすらできないというのならこれまでやってきたことは一体なんだったのかと。




結果を出さなければいけない。



ずっと悩んでいた。



でも結局大事なのは、自分を突き動かしてくれるのは、純粋な上手くなりたいという気持ちだと改めて思った。



一人で自主練をしている時、着実に上手くなっていくのを感じるのが気持ちよかった。実際にはほんの微々たる成長だったとしても、それでも少しずつみんながいるところに近づけている気がして、いつかみんなと肩を並べる瞬間が来ることを想像して、もっと頑張ろうと思えた。そういう時間が好きだったし、そうやって黙々と練習している自分のことが好きだった。あの時思い描いていた理想の自分に近づけている気がしたから。




今年でもう最後。

覚悟を決めなければいけない。

今年で絶対に結果を残すと。




同期や後輩のみんな、こんな頼りない4回生だけど、迷惑かけることもあるかもしれないけれど、あともう少し付き合ってね。


まだこのままで終わらせたくない。


チームの一員として、まだまだ成長しきれていない。ラクロス部に入って本当に良かったと思えるように、まだ今よりもっと上手くなりたいから、

次のBリーグ絶対に負けるわけにはいかない。




まだこのチームで戦っていたいから。




全学まで行って、あの日夢見ていたかっこいい自分になりたいから。






2024/07/06 #23 難波俊介


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