Blog

ブログ更新情報


2026

26KUL Emotion TR 紺谷美帆

平素よりKULを応援してくださっている皆様に心より感謝申し上げます。

拙い文章ではありますが、この4年間を私なりに綴ったので、ぜひ読んでいただけますと幸いです。




京都大学男子ラクロス部に入部しここまでやり続けてきたこと。

それは、私の人生の中で1番価値観の変わる出来事だったと感じる。


この部活という環境は普通ではない。日本一という目標を目指し、努力をし続ける人たちがあふれている。その中にいるスタッフは、決して下にいて「支える」のではなく、自分たちの立場でできることを追求し共に「走る」。

スタッフ同士、プレーヤー同士、のみならず、部員同士が尊敬し、尊重し、ときにはぶつかって、全員で上を目指していける環境。


そんな環境が、とても素敵だと思った。

18年間ずっと、自分の意志でがむしゃらに何かに打ち込む人を見るたびに憧れを抱いていた。これを憧れで終わらせるのではなく、自分の人生で実現するのは今しかないと思った。

加えて、自分が高校のマネージャーのときにはできなかった「トレーナー」という分野。スタッフという立場だからこそできる干渉があり、成長がある。自分のやりたかったことはこれだと、強く直感的に思った。


こうして、私はラクロス部に入ることを決意した。



でも


私はトレーナーには向いていない。


入部すると決めていたときから薄々危惧していたことを、常につきつけられる日々だった。

臨機応変な対応、限りない知識の蓄積、知識に基づいた意見の主張。

これまで高いレベルの環境に「居ること」に甘えてきた私は、自分の弱点を感じながらも、すぐに行動に移して変えるまでには至れなかった。これが負のループに陥り、どんどん萎縮していった。

いつか、どこかでモチベーションが上がる日がくる。能力を発揮できるときがくる。そんな甘い考えだけを持って、何も変わらない2年間を過ごした。




こうして、2回生の冬に入った。


突然、部活をやめたいと思った。

部活にいるときの私は、本来の私ではないんじゃないかと感じた。


私は今まで何か一つのことに打ち込んだことはない。色々なものに触れて、素敵なところを見出して、自分に取り入れられるものを見つけて吸収していくような日々を送ってきた。

だからこそ、一つのことに打ち込みたいと思って入部したが、それに縛られる必要もないのではないかと思った。

自分が最大限キラキラできる場所は他にある気がするのに、ここで閉じこもっている必要はあるのか?

この部活をあと2年続けるには、あまりにも部活へのエネルギーが足りないのではないか?続けるとしたら、何かを大きく変えなければいけないけど、それはできるのか?自分はラクロス部らしい人間だとは全くもって思わないし、ラクロス部らしい人間がこの部活をやり遂げるのではないか?


やめるという考えそのものは今までも無くはなかったが、ここまで強く出たのは初めてだった。

今までなぜやめることを考えないようにしていたのか?客観的な視線を気にしていただけなのではないか?

頭の中がぐるぐるして、考えれば考えるほど、自分にとってはやめるのが最善だと思った。

身を置いている環境が、このときの自分にはこの上なく窮屈に感じていた。



自分の中では解決しきれず、部活内外の信頼できる人に相談した。共通して返ってくる言葉は「色んなところに飛び込むのも美帆らしい」という言葉だった。


半分納得した。

けれど、

どこか半分、納得できなかった。

ここで「そうだよね」と言ってやめる選択をとることが、なぜかできなかった。

でも、99%やめるという気持ちに傾いている。ならもう思い切ってやめるという選択をとってみるしかない。


そう思って、やめることを決意した。

当時の主将が直接話す機会を設けてくれ、「紺谷は、トレーナーとしてこれやりたいなってことはあるの?」と聞かれた。

ラントレをもっと説得力を持たせながらやりたい。陸上部のマネージャーだったときに吸収した、知識だけでは得られないような感覚的な面を活かしたい。トレーナーとしてもっと知識をつけて、リハビリの精度を上げたい。

信頼されるトレーナーになりたい。


当時主将にどこまで詳細に言ったかははっきりと覚えていないが、やりたいことは色々思い浮かんだ。「まだやりたいことがあるんだったら、やめるのは少なくとも今ではないんじゃない?もう少しここにいてみてもいいと思う」と言葉をかけてもらい、どこかスッと楽になった。

もう少し、続けてみることにした。


とはいえ、劇的に何かが変わるわけではなく、心が少し軽くなりながらも劣等感を抱く日々は続いた。

やっぱりこの環境にいられていることに甘えて、部活をこなすだけで毎日を過ごしてしまう。それに加えて、部活外でやらなければいけないことも複数背負い、何もかもが中途半端な状況が苦しくなっていた。


HTRの先輩に自分の状況を相談した。そこで言ってもらったのは、「全部を背負おうとしなくても、目の前のできることを見つけて、そこから少しずつクリアしていけばいい。優先順位をつけて、たまには一度捨ててみることも大事。でもそこで失うかもしれない信頼は、あとから自分が行動で示して取り戻すべきだと思う。」という内容だった。

その通りだと思った。

苦しくて、ずっとマイナスの考えに向かってしまっていたけど、少しずつ前を向けるようにひとつひとつ順に向き合っていけばいいのだと感じた。


そこからは、本当に小さいことからやっていった。返信を速くするだとか、最低限の仕事はやり遂げるだとか、そんなレベルのことから手をつけた。

リーグ戦期なのもあり、多方面で自分の未熟さを痛感することもあったが、練習から少しずつ改めていこうと思い、自分の中でしか分からないレベルの意識の変化でも、できることをやろうと心掛けた。




そんな中、年始mtgが始まった。目標やリーダーだけではなく、理念という0の部分から考え直すmtg。


これが、本当に楽しかった。


自分の意見、部員一人ひとりの意見、これらのどれもないがしろにせず、全員ですべてを作り上げていくという、「チーム」でしかできないこと。一人ひとりがチームと向き合って初めて、チームとして一体となり前に進めるのだと感じた。


上手く言葉にはできないが、自分の心の向き方が明らかに変わったのを感じた。

このチームのために頑張りたい。自分にできることを精一杯見つけて走り続けたいと心から思った。



そこからの部活は楽しかった。気持ちが前を向いているのを明らかに感じたからだ。

自分の気持ちのありようが変わると、部員の努力が驚くほど目に見えてきた。もちろん努力をしていることは元々わかっていたことではあったが、改めてこんな努力をしているのだと認識できたし、それが励みになった。

気持ちが部活に真っすぐ向くと、こんなにも根っこの気持ちから変わっていくのだと気づいた。



そして迎えた関西ファイナル決勝。

私は実力不足でベンチに入ることができなかったが、これから頑張るしかないと切り替えて、試合を見ていた。


関西優勝が決まった瞬間、

私の心には虚無感があった。


チームが勝ったのはすごく嬉しいし、誇らしいのに、

私はここで何をしているのか?なぜベンチに立たず外で見ているのか?

自分の今までの甘さのツケが回ってきたのだと思い、頭というより心が真っ白になった。


その日の夜、苦しさで大泣きした。

自分の過去の努力の足りなさが不甲斐なかった。



でも



部活をやめたくない。


やっと、部活に向き合えるようになってきた。


傍から見たら気づくのが遅いと分かってはいるけれど、この3年間を棒に振ったことにするかどうかは、残りの1年間で決まる。


小さいことでもいいから一つ一つやって、信頼されるトレーナーになりたい。


自分がラクロス部らしい人間かはわからないけど、ここま居続けた意味は必ずある。



そう強く思った。




このとき、少し前に部活の先輩が言ってくれたことを思い出した。


「私、紺谷には部活をやめないでほしいんだよね。ラクロス部は注げば注ぎ込むほど良いっていう風潮があるし、それはそうかもしれないけど、紺谷みたいな人がやめちゃうと、それこそラクロス部はチームとしてどうなのかなって思う。」


この言葉を聞いたその瞬間は、あまり意味がわからなかった。

でも部活と向き合って、改めてこの言葉の意味を考えたときに、納得できるものがあった。





「チーム」



KULには切っても切り離せない言葉、概念だと思う。

KULは全員で「日本一」を目指している。

そのためにやるべきことも、すごく具体化されているように感じる。

ただ、チームとして同じ方向を向くということは、必ずしも同じ方法をとったり何かに縛られたりすることだけではない。

チームの中で、自分がどういう意義を作り出せるか、いかに他人の個性を認め、それも含めてチームとして作り上げられるか、なのではないかと思う。


だから、私はチームとしても個人としても頑張っていきたい。


「私」という人間がこの部活をやり遂げる意味。

それは、一人ひとり、捉えてくれる意味の強さも内容も違うと思う。


ただ、抽象的なものとして1つ、自ら意味を見出したいものがある。



チームの全員が、等しい立場に立つ一人としてやり遂げる価値があるということを、私がチームの一員として示すことである。



KULに入った理由は人によって様々だと思うし、目的は時がたてば変わると思う。でも、その目的がチームのためでも自己成長のためでも、それがチームの向く方向と照らし合わされば、必ず一員としての力を発揮できる。


とても抽象的な考えだと思うし、理想論にすぎないとも思うが、

そう信じて突き進んでいきたいと思う。



今、私はトレーナー組織のラントレ分野に、リーダーとして所属している。

トレーナーの中では比重が少し軽い分野ではあるが、それでもその大切さを伝えたい。


この部活に私がいる意味の見い出され方は人によって違う、とさっき言ったが、この言葉に甘えてはいけない。

改めていい環境だと気づいたが、この環境に甘えて受動的なままではいけない。


ラントレに食らいついてきてくれるPL、リハビリを聞いてきてくれるPL、小さなことでも相談したり気軽に話したりしてくれるPL。

それだけではなく、共にいい組織を作り上げてくれるスタッフのみんな、試行錯誤や切磋琢磨をしながら成長しつづけるTR、応援し続けてくれるOB保護者や関係者の皆様。



自分と関わってくれている全ての人に、私は能動的でい続ける。



自分のできることを見つけ、それを自分からチームに還元し続ける。



0からのスタートが遅かったからこそ、最後まで、成長の速度を上げ続ける。



4回生としては情けないくらいに未熟で、まだまだ何もできていないけれど、チームの一員として、みんなと一緒に走り続けたい。




なぜなら私は、このチームが心から好きだからだ。





明日はKG戦。


私はベンチに立つ。

去年はボロボロでほとんどベンチに立てなかったが、明日は成長した姿でチームの一員として動く。一秒一秒成長し続ける。


チームとしても大きな正念場だ。

全員が、チームの一員として戦い、勝利を収めよう。



全員で最高の景色を見れるまで、

私は、KULの一員として、KULのトレーナーとして、走り続ける。



_______________________

とても長い文章となってしまいましたが、最後まで読んでくださってありがとうございました。


関わってくださった方々には、感謝してもしきれません。皆様一人ひとりのおかげで、チームとして、個人として、ここまでやってくることができました。


感謝の言葉を個別に綴りたい気持ちは山々ですが、直接自分の口から伝えさせてください。


これからも変わらぬ応援の程、よろしくお願いいたします。

_______________________


2026/8/21 TR 紺谷美帆


コメント
名前

内容