
去年の11月1日、関西ファイナル決勝戦
試合が終わった直後、周りが歓喜の渦に包まれている中、素直に喜べなかった自分がいた。嬉しいとか勝ててよかったとかの感情がついてこなかった。何も出来なかった自分の弱さとチームへの思いの希薄さが浮き彫りになって自分が嫌になった。
その後全学1回戦での敗戦後に、らがが34期に向けて送ってくれたメッセージは耳が痛かった。
チームのことがまったく見えてなかった。見ようとしていなかったのだから当然だと思う。
去年はありがたいことに3回生でATリーダーをやらせてもらった。年始はとにかくOFのことを吸収してやろうと意気込んでいたが、結果として、与えられた仕事以上の成果は出せなかった。リーダーとしてもプレイヤーとしてもなにも果たせないまま3回生の冬を迎えてしまった。
こんなはずじゃなかった。
1回生の時はどんどんうまくなっていくのが楽しくて、勉強なんか二の次でばかみたいに自主練した。2年後3年後の活躍している自分を思い描いてとにかく練習した。それなりに上手くなれたし、今でも誰よりも努力していたと言える。それでも結果はウィンター予選負け。あっけなかった。
2回生になる手前に怪我をしてプレーできない日々が続いた。さすがにモチベーションの波はあったが、熱は冷めることなく、上手いプレーを見漁って、できる筋トレをしまくった。復帰してからはBの試合で度々点が取れて嬉しかった。
その反面Aの練習に行くのは苦痛だった。苦手に直面する度にラクロスの苦手な部分が増えていった。だから得意なプレーばかり練習した。苦手なプレーからは目を背けた。努力の方向性を修正できなかった。
この時期からAの試合で活躍している同期は自分とは別物、ああはなれないと心のどこかで自分にブレーキをかけた。
そんな奴が3回生になって活躍できる訳もなく、ミスをしないように、悪目立ちしないように、とラクロスに向き合う姿勢はどんどん崩れていった。
振り返ると日本一の基準にはまったく達していなかった。単純なフィジカルとか努力の仕方とか、そういうことを考えると嫌になるから、考えることから逃げる。
卑屈で弱い自分のことが嫌いなくせに、大事なところでズルをする。誰も見てないところでこっそりズルをする。都合の悪い部分から目を背け、なかったことにする。言い訳を考える。俺以外にも心当たりがある人はいると思う。そんな自分を、心の中の自分は24時間いつでも見張っている。自分についた小さい嘘が積もり積もって大事な場面で足を引っ張る。
このままじゃいけないのは明白だった。
自分もチームも変えないといけないと思い副将になった。
これまでの人生で人の上に立った経験はほとんどなかったから、とりあえず接しやすい副将を目指した。とりあえず部員と喋るようにした。辞めようとする部員とも話したし、様々な価値観があることを知った。このチームには色んな思いをもった部員がいることを知った。部外の人とも喋る機会が増えた。
自分の言動にも気をつけるようにした。そんなの当たり前だけど、どうやったら愛されるチームになるかを考えてとりあえず自分でやってみるようにした。店員さんにお礼を言うとか草刈りのおばちゃんに挨拶をするとかそんなレベルで。
また、今年はもっとプレーで引っ張っていかないといけないと思い、試合で挑戦するようにした。去年がおんぶにだっこ状態だったため、まずはボールを持つ回数を増やすところからだった。結果が出始めたのはトップリーグあたりで、この時は個人としてもチームとしてもいい流れに乗れていたと思う。
しかし、勝ち続けられるほど強いチームではなかった。俺たちは勝つとすぐに空気が緩む。綻びが生じる。何とかしようと自分自身に矢印を向けると次はチームのことが疎かになる。上手くいかないことも多かった。先のことを考えると、残された時間に目を向けると、不安になった。何度か上手くいかない自分から目を背けた。丸一日ラクロスから離れた日もあった。
そんな中で気づいたことがある。自分から目を背けない方法。ズルをしない方法。それは人を巻き込むこと。本当に信頼できる人でいいし、自分にとって障害になり得る人を巻き込む必要はないと思う。
例えば時間を決めて一緒に自主練してみたり、一緒に動画を見て反省してみたり。
自分は強いと思っていても、一人で走るのはしんどいからズルをしてしまう。一人だと気づかないこともある。見落としてしまうこともある。
そんなときに誰かに見られていることで、もう一歩が踏み出せるんじゃないか、見落としていたものに気づけるんじゃないかと思う。
最初は自分のためだと思っていてもそれが誰かのためになることだってある。今一人で上手くいかなくて悩んでる人がいたらとにかく人を巻き込んで欲しい。同期でも後輩でも先輩でも誰でもいい。俺も誘ってくれたら協力する。させて欲しい。
俺が副将として、最上回生として、どれだけの人間に影響を与えられたのかはわからない。副将として、自分からなにかをできたことはほとんどない。偉大な主将のようにチームを引っ張ることはできていない。
面と向かって真面目な話をするのが苦手だから、どうでもいい話の方が多くなってしまうし、続けるのが苦手だから、意気込んでつくったLINEグループはすぐ機能停止してしまう。
それでも毎日、正規練で、のうじーで、ジムで、壁で、あるいは食堂で、試行錯誤して、どんな形であれ努力しているみんなを見ると、副将をやっていてよかったと思える。このチームが好きだ。このチームのためにできることをもっとやりたい。このチームで日本一になりたい。そのうえで誰よりも活躍したい。
このままずるずると引退する訳にはいかない。
このままだと4年間が「楽しかった」だけで終わってしまう。
トップリーグ決勝、リーグ開幕戦での不甲斐ないプレーの数々、苦手なプレーから逃げ続けた結果がこれだ。これが実力。でもこんなところで落ち込んでいる暇はない。こっからバケモノになるから任せてほしい。
最後に感謝を伝えます。
親へ
最近真の保護者グループに入ったみたいで、emotionの存在も知らされたみたいなので、この文章を読んでいると思いますが、本当に感謝しかないです。何から何まで補助してくれてありがとう。大学生活が楽しくて仕方がありません。あと数年よろしくお願いします。
コーチさん、先輩方へ
数え出したらキリがないほど多くの人にお世話になりました。ケツも叩いてもらいました。OBさんにもお世話になりました。結果で恩返しさせていただくのでぜひ試合を見に来てください。
34期へ
最近ほんとうにほんとうに34期で良かったと思う。勝負事には向いてないくらい優しいみんなが好きだし、3年とちょっとのうちのほとんどを一緒に過ごしてきたみんなと日本一を獲りたい。これ以上でも以下でもない。勝って笑顔で終わりたい。
後輩へ
ここまでついてきてくれてありがとう。いいやつばっかで自主練頑張ってるやつもたくさんいる。ただ現状に満足しないで欲しい。今の基準を疑って欲しい。4回生になって気づくことは多かれど、それではあまりにも遅い。幸いまだシーズンは4ヶ月もある。今からだって無限に上手くなれる。一緒に上手くなろう。
最後にみんなへ
「チームのために頑張る、チームが勝てればそれでいい。」
そんな考えは持たないで欲しい。そんなものは勝負することから逃げたやつの言い訳に過ぎない。と俺は思うし、身をもって経験した。常に勝ちが求められる勝負の世界で、
「自分が1番活躍する。」
そんなマインドで望んで欲しいし、誰もそれを責めない。そんなやつはいない。原動力は自分自身であって欲しい。
特に後輩は、34期のためとか言ってくれる優しいやつばっかだけど、強い個がないと真に強いチームにはなれない。
来年から主体的に頑張るのでは全部が後手に回ってしまう。去年の俺と同じ轍は踏んでほしくない。
まだリーグ戦は始まったばかり。
最後まで何が起きるか分からない。
最後の舞台で誰が脚光を浴びるかも分からない。
誰にでもチャンスはある。
これからの死に物狂いの努力でどうにだってなる。
でも
明日いちばん活躍するのは俺だ。
2026/8/6 #88 赤井湧一

