私は別に、日本一になりたくてKULに入ったわけじゃない。
なんとなく。
それが私の入部理由だ。
新歓の日にちを間違えて偶然見学することになった男子ラクロス部が、なんとなく楽しそうで、なんとなく輝いて見えて、直感だけで決めた入部だった。
そんな考えで入部した私だったので、Fr時代はただただ部活を楽しんで過ごした。目の前の試合に負けたくないという気持ちこそあれ、日本一など意識できたものではなかった。
上回になると仕事や責任も増え、楽しいだけの部活ではなくなった。なんで自分はTRをしてるんだろう、KULにおいて自分の存在意義ってなんだろうと何度も見失っては考えた。
周りはみんな日本一を目指し高い志を持って入部したのに、私はなんだかふわっとした入部理由で後ろめたい気持ちになったこともあった。
体育会を選んで、スタッフになることを選んで、KULを選んで。
日々の活動の中でもいろいろな選択をしてきた。
自分のしてきた選択が正しかったのかはわからない。
いまだ答えが出ないこともたくさんあるし、自信だってない。
ただ、大好きな同期や後輩と、尊敬する先輩方が作り上げてきたKULで、日本一になりたい。
大義を持って始めた部活じゃないけれど、今の私は心からそう思っている。
ありきたりかもしれないけど、始まり方なんて大抵なんでもよくて、やると決めてから自分がどう行動するのかが大事なんだと今は思う。
自分のしてきた選択を後悔して終わらないように、自分の行動で僅かでも勝ちに貢献できるように、KULのTRとして最後まで全力で走り切る。
WRITER:上野山那南