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2022

22KUL Emotion #99 馬場基維



"学生日本一"




この目標はただ単に受け継がれてきたものなのか。




それとも俺たちが自分の頭で考えぬいてだした答えなのか。





どこからが自分の思考なのか。




自分の考えていることは本当に自分が考えだしたことなのか、ただの受け売りではないのか。



"いいDFとは何か”


"自分は何故日本一を目指しているのか”



こういった問いかけたちに、常にそういう考えが付きまとってきた。


そしてどんな答えを出してみても、いまいちどこかで見たようなものばかりのような気がしてしまう。




DFLになってみてDFチームについてより一層考えるようになった。


今までとは違う新しい戦術を作りたい、というのではなく、自分が、これがいいと本気で納得した戦い方をしたい。という思いがずっと俺を悩ませてきた。


既存の戦術は"今までの先輩が"これでいいと思ったにすぎず、自分たちの思考から生まれた戦い方ではないのかもしれない。


だからこそ、戦術ごとにコンセプトは決めても、細かい決め事は決めきらず、選択肢を持たせることで個々人の裁量を持たせてきた。


俺の頭の中の限界に規定されない、クリエイティブなDFを作りあげたかった。


今年のDF陣はとても頼もしく、それでいて、とても不安定だ。

だから、調子がいいときはめっちゃいいDFをするし、全員の波長が合わない日はぽんぽん点を入れられたりする。特に誰かがキレ始めたときはサイアクだった。


時たま、自分の思考に依拠しないDFを作りあげることが、DFLとしての責任を全うしていないのではないのか、とも思う。そういう日はかじりつくように6on6のビデオを見る。



そんな1年だった。



でもこうやって日々苦悶しながら、言い合いしながら毎日の練習を積み重ねていくことは、絶対的な誰かに「これが正解だ」と言われるよりも、完成するまでの道程は長いけどより良いDFを作り上げると信じている。これだけは受け売りじゃない。




"自分は何故日本一を目指しているのか。"


1回生の冬に先輩に投げかけられたこの質問の答えは、日々をおうごとに変わってきた。


この4年間自分が、みんなが変化してきたように。


朝寝坊ばかりで、高校の部活も途中で辞めた俺に、日本一を目指して4年間やりきることができるのか自分でも入部してからも信じることができなかった。


一回生のときには誰も、俺でさえも、俺がDFLになると思っていなかった。


ユースにも選ばれないほど誰にも認めてもらえなかった選手が、U21の練習に参加するまでになると思っていなかった。


KULに身を置いたおかげで自分も知らない自分の可能性に気づくことができた。

それは日本一を目指すこの環境と、仲間たちがいなければわからなかったことだと思う。




"日本一を目指す”ということは、自分たちの可能性への追及であり、自分を成長させてくれたこの環境への恩返しである。と俺は思う。





これは俺の答えだし、元々誰かの答えかもしれない。これからの2ヶ月でまた変わるかもしれない。



この変化をまだ俺は楽しみたい。

思考を止めたくない。



あと2ヶ月



誰よりもラクロスをし続けるために。


#99


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