3個上の兄貴
それは俺にとって、いつだって偉大な存在だった。
小学生の時に野球を始めたこと、中学受験をしたこと、京大に入学したこと、ラクロス部に入ったこと。
全て自分が選択した道だった。
でもやっぱり兄貴に負けたくない、背中を追っていきたいという気持ちが大きかったのだろう。
そんな俺が兄を越えたことがあるのだろうか。
3年離れた兄の背中はとても大きかった。
野球もそんなに上手くなかったし、京大にはぎりぎりで合格だったし、U20.21の選考には残れたけど、結局OFでは全く歯が立たずにDFで選んでもらっていた。
元から勉強が得意じゃないし、身体能力が高いわけでもない。特に取り柄のない自分は、すぐに何かを上達することができなかった。
だから俺は地道に地道にして努力してなんとかやってきた。
例え時間がかかったとしてもできるまでやり続けた。
何万回と壁打ちして、何万回とショットを打って、3年半欠かさずに筋トレした。
4回生になってようやく結果が残せるようになった。
でも足らない。リーグ戦だって全然点を取れてない。
まだまだこれから。俺はまだ成長段階。
全学決勝。そこが俺の最高到達点。
兄が成し得なかった、KULがなしえなかった悲願の学生日本一。
俺が成し遂げる。俺らが成し遂げる。
京大の6番を全国に轟かせる。
見てろ。やってやる。
2022.09.21 #6 相田春佑
WRITER:相田春佑